きちんと打とう予防接種
- 2023年5月23日
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今日は予防接種の話をしたいと思います。
当院では以下の予防接種も行っています。
①子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)
子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染することが主な原因のがんです。HPVワクチンはこのウイルスの感染を予防できます。また現在接種しているガーダシル・シルガード9は尖圭コンジローマという性病も同時に予防できます。
小学6年生(12歳相当)から高校1年生(16歳相当)の女子は公費で接種可能となっておりますが、現在はキャッチアップ接種(一時期接種勧奨がなされていない時期があり接種できなかった方)により、平成9年度生まれ~平成17年度生まれの方も公費での接種が可能です。ぜひこの期間に受けておくようにしましょう。
②風疹麻疹(MR)ワクチン
風疹・麻疹は子供のころに罹ったりワクチンを打つのですが、その場合も大人になると抗体価が下がってしまうことがあり、最近は大人での流行も見られています。
抗体のない女性が妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群という障害を起こすことがあり、白内障や先天性心疾患、難聴といった先天障害が起こります。
妊娠を希望されている方やそのパートナーは、再度抗体を持っているか検査をすることが勧められています。自治体によっては抗体検査やワクチン接種の公費補助があるところもあります。
港区の場合は
妊娠を希望または予定している女性
妊娠を希望または予定している女性の同居者
風しん抗体価の低い妊婦の同居者
に対して風しん抗体検査・ワクチン費用を助成しています。
また麻疹は大人になってから麻疹を発症すると重症化しやすいと言われており、特に、妊婦さんが麻疹にかかってしまった場合、流産や早産のリスクが高くなるのに加え、自身も重症化しやすく、非妊娠時よりも死亡率が上がることが分かっています。
妊娠中にワクチンを打つことはできないため、妊娠を考えている方や、パートナーの方、流行地へ行く方、(もちろんそうでない方々も)今一度自分が麻疹や風疹に対する免疫を持っているかチェックしておくとともに、免疫が不十分な方はワクチン接種しておくことをお勧めします。
③帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)に罹った人が、体内に潜伏する水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することによって発症する疾患です。加齢、疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルス が再活性化し皮疹が出てきます。50歳代以上に好発しますが特に問題なのは、50 歳以上の患者の約 2 割が悩まされるという帯状疱疹後神経痛(PHN)です。鎮痛薬や抗うつ薬などの薬物療法、神経ブロック療法など行っても難治性で長期間、強い痛みに悩まされるケースもあり、高齢者や帯状疱疹の重症度が高いほど PHNが起こりやすいとされています。
また帯状疱疹は多くの合併症を起こし、脳髄膜炎、脊髄炎、脳血管障害、運動神経麻痺、眼瞼結膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎、網膜炎、耳鳴、目眩、顔面神経麻痺など多岐にわたる症状を起こします。しかもこれらの合併症は一旦起きてしまうときわめて治りにくいため問題となります。
当院では新しい帯状疱疹ワクチンであるシングリックスの接種が可能で、以前よりあった生ワクチンと比べて効果の高さ、持続期間が長さで優れており、また免疫の弱っている方にも使用できるため高齢の方の接種にもおすすめです。
このワクチンは現在港区の公費接種対象となっており、当院でも公費での接種が可能です。
④インフルエンザワクチン(秋から冬季のみ)
冬季に流行するインフルエンザは、ワクチンによって感染を完全に防ぐ効果はありませんが、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。流行の2〜3週間前の接種が推奨されています。毎年10月ごろから接種可能となります。
特に妊娠中の方は、感染すると重症化しやすいため、ワクチンの接種が推奨されています。妊娠を考えている時から、妊娠中全期間、授乳中を通して接種が可能で、妊婦さんの接種により、産まれた赤ちゃんにも予防効果があります。
当院はお子様の接種も受け付けております。お電話にてご相談ください。痛みを軽減させる接種方法で接種させていただきます。