月経不順
月経不順
月経不順だけど忙しいし…と放置してきた方、月経不順なのか不正出血なのかわからないという方。月経不順の原因を知ることで将来の不妊を回避したり、思わぬ病気やがんが見つかったり、ということもありますのでお気軽にご相談ください。
一般的な月経周期というのは、月経の始まった日から次の月経の開始日前日までの日数を指します。正常な範囲は25日~38日で、月々の変動が6日以内といわれています。
個人差はありますが、通常月経が開始してから約2週間は卵胞が育つ時期で卵胞期とよばれ、比較的快適に過ごせる期間です。その後排卵が起きると黄体期と呼ばれ、子宮の内膜を分厚くして妊娠に適した状態にするホルモン(プロゲステロン)が増加します。妊娠しなかった場合は排卵後約2週間で分厚くなった子宮の中の膜がはがれ、次の月経がやってきます。
月経周期の乱れには以下のようなものがあります。
前回の月経を覚えていないという方もいらっしゃると思いますが、それでは自分の月経周期が正しいのか早いのか遅れているのかわかりません。まずは月経の始まった日と終った日を記録してみましょう。より自分の身体のことを知るためには基礎体温を付けてみるのがおすすめです。基礎体温とは、朝目が覚めてベッドから出る前に舌下で体温を測定したものです。これをグラフに記入した「基礎体温表」を作ることで排卵をしているかどうかを知ることができます。生理周期や排卵のタイミング、妊娠の早期診断や、次回の月経予測もすることができます。
最近ではアプリで簡単にグラフを作れるものもあるので活用してみましょう。ただし、アプリでの月経予定日は今までの周期の平均から予測したものなので多少ずれることが多いです。
いつもの月経周期より遅れている場合、まさかと思っても避妊に失敗している可能性があります。妊娠の可能性がある場合は検査薬で調べてみましょう。妊娠の可能性が全くない場合は1回だけ月経が遅れているようであれば少し様子を見ても良いでしょう。2か月以上来ない場合は受診しましょう。
月経がひと月に1回くるのは1か月に1回排卵が規則正しくあるからです。約2週間後にセットになって月経がやってくるのですが、何かの原因で排卵がおこなわれない場合や、排卵に時間がかかってしまった場合、月経が遅れてしまうことがあります。
排卵がうまくいかない原因としては、不規則な生活習慣やストレス、多嚢胞性卵巣といった体質などがあります。
不規則な生活やストレス下では、身体が子孫を残す前にまず自分の身体を守ろうとします。そのため脳から出ている排卵を促すホルモンが出なくなります。
脳下垂体からのホルモン(FSH、LH)のバランスが悪く、卵巣の皮が厚くなって排卵しにくい体質の人がいます。ニキビや多毛といったほかの症状を伴うこともあります。
視床下部や下垂体から出るホルモンのバランスが悪かったり、排卵を邪魔するようなホルモン(プロラクチン)が出すぎている場合、また甲状腺ホルモンに異常がある場合。
ホルモンを一定にして排卵を止めたり、子宮の中の膜を薄い状態に保つため、ピルの種類によっては月経がなくなったり予定よりずれることがあります。
胃薬・抗うつ薬などの一部の薬は排卵を邪魔するホルモンを増加させるため、月経周期に影響を及ぼすことがあります。
原因によって治療法は異なります。まずはホルモンの採血や経膣超音波で子宮・卵巣の状態を見て原因を明らかにします。薬が原因の場合は薬を中止してみることもあれば、ストレス等が原因の場合はそのまま様子を見ることもあります。長期に月経が来ていない場合はホルモン剤を使って月経を起こしたり漢方薬によって排卵するように体質から改善していく場合もあります。
また妊娠を希望する場合は排卵を促すような薬や漢方薬で治療を行うこともあります。それぞれのライフスタイルに合った治療をするのでお気軽にご相談ください。