ピル/IUS
ピル/IUS
ピルは、『卵胞ホルモン』と『黄体ホルモン』という2種類のホルモンを含有しており、排卵の抑制(避妊効果)に加え、下記の症状改善などの効果があります。症状によっては保険適用となることも多いので、ご相談ください。
また多くの種類があり、含まれるホルモン剤の種類が少しずつ異なるため、むくみの出やすさやニキビの改善効果なども異なります。ご相談の上、種類を決めていきます。
最近はインターネットで購入も可能ですが、やはり女性ホルモンの薬なので、きちんと専門医による診察を行ってから処方してくれる病院のほうが血栓症などの副作用が出た場合の対処も速やかにできるため安心です。
当院でも定期処方の場合はオンラインによる処方が可能です。
LEP (保険) |
ルナベルLD・ルナベルULD(フリウェルLD、フリウェルULD) |
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ヤーズ(ドロエチ)・ヤーズフレックス | |
ジェミーナ | |
OC (自費) |
マーベロン(ファボワール) |
トリキュラー(ラベルフィーユ) |
()内はジェネリック医薬品
低用量ピルの一般的な副作用として、頭痛、吐き気、不正出血などがおこることがありますが、これらの症状は飲みはじめの時期に起こり、服用を続けることで消えていきます。
重篤な副作用のひとつに静脈血栓塞栓症がありますが非常に稀です。静脈血栓塞栓症は低用量ピルの内服開始後3か月以内での発症が最も多く、喫煙者、肥満の方、ご高齢の方はそのリスクが高まることがわかっています。静脈血栓塞栓症の症状としては、激しい頭痛、急に目が見えなくなった、しゃべりにくくなった、激しい腹痛、足のむくみ・痛みなどがあり、早期診断・早期治療で重症化を防ぐことができます。
最近気軽にピルを購入できるピル専門のオンライン診療もありますが、きちんとピルやホルモン剤の知識がなく、正しい内服方法の指導ができていなかったり、副作用などが出た場合に対応できないことも。産婦人科専門医のいる当院では安心して内服いただけます。
※オトナンサーの記事はこちら
ピルと同様、避妊や月経困難症の治療として使用されるものにIUS=intrauterine system(子宮内システム)があります。これは黄体ホルモンと呼ばれるホルモンが放出されるT字型のデバイスで、一度子宮内に挿入すると5年間入れたままで効果を発揮します。
バイエル社HPより
避妊効果としては99.8%とされています。避妊効果の指標としてよく用いられるパール指数というものがあるのですが、これは100人の女性が1年間その避妊法を使った場合に妊娠してしまう数を%で示したものです。ピルを正確に内服した場合、約0.27%ですが飲み忘れなど考慮した一般的な飲み方の場合8%とされています。一方、黄体ホルモンが放出されるIUSでは0.2%とされており、ピルの一般的な避妊効果より高くなっています。
ただし「避妊」はできても性感染症は予防できないので、性感染症を予防するという意味でコンドームは必要になります。
また、生理痛がひどい「月経困難症」や生理の量が多い「過多月経」の人は、IUS(子宮内システム)を治療として使用することがあり保険適用となります。
挿入は外来診察で入れることができます。挿入時に軽い生理痛のような下腹部痛があり、人によってその日は数時間軽い生理痛のような痛みが続くことがありますが、痛み止めを内服して対処できる程度の痛みです。
挿入のタイミングは月経の終わりかけ(生理5〜7日目程度)です。挿入前に検査が必要ですのでまずはご相談にいらしてください。
大きな副作用はありませんが、先述のように挿入後半年くらいだらだらと少量の不正出血が続くことがあります。特にそれ自体は異常ではありませんが、どうしても不正出血が耐えられないという場合はやめたほうが良いでしょう。
また、めったにないことですが、出産や中絶の直後など子宮が柔らかくなっている状態で挿入した場合に「穿孔」といって子宮を突き抜けてお腹の中にIUD(IUS)が入ってしまう危険性があります。
月経日はホルモン剤によってコントロールすることができます。受験や旅行などどうしても外せないイベントと月経の日程が重なってしまった時には、ご相談ください。オンライン診察での処方も可能です
大切な予定と生理が重ならないように、予定生理より前に月経を移動させる方法です。ずらしたい生理の前周期の生理開始後、できる限り早めに受診してください。10日ほど中用量ピル(プラノバール)を内服すると、内服終了後2〜3日で生理が開始しますので、予定生理より前に生理を早めることが可能です。
低用量ピルによっても生理を早めることが可能ですので、何周期も続けて月経移動の希望のある場合ははご相談ください。
生理予定日より5日前から中用量ピルの内服をすることによって、生理を遅らせることが可能です。生理を早める方法よりも、生理を遅らせる方法の方がより確実です。ただし遅らせる場合、大切な予定(旅行や行事)の間も中用量ピルの内服が必要となります。慣れていない場合は少し早めに飲み始めるなど、なるべく大切な予定の間に負担のかからないよう調整させていただきます。
緊急避妊薬とは、コンドームの破損、コンドームなしの性交渉など避妊に失敗した際、早期に内服することで、排卵を遅らせたり受精・着床(受精卵が子宮にくっつくこと)を阻止し妊娠するのを防ぐお薬です。現在国内で認められている緊急避妊薬はレボノルゲストレル(ノルレボ®)というホルモンの製剤で性交渉から72時間以内に1錠のみ内服するお薬です。海外ではエラワン®という性交渉後5日以内と、もう少し期間も長く効果の高い緊急避妊ピルも販売されていますがまだ日本国内では認可されていません。
避妊率は24時間以内の内服で99%、48時間以内で98%、72時間で97%と報告されています。ただ、妊娠阻止率といって内服しなかった場合に妊娠したであろう人たちに限っていうと85%の阻止率なので、実際内服後に妊娠してしまうケースも見られます。
服用はなるべく早い方が効果的ですので、避妊に失敗してからなるべく早めに受診されることをおすすめします。オンライン診察での処方も可能です