過多月経
過多月経
「生理の量」は人と比べることはあまりないので自分で多い、少ないがわからないことも多いと思います。チェックが入った方は気軽にご相談ください。知らない間に貧血になっていて、治療をしたら勉強や部活、仕事の効率が上がったという方もいますよ。
過多月経の定義としては、一般的に月経血の量は20~140g、平均50~60gとされており、それを超えて月経血が異常に多いことを過多月経といいます。実際に測るのは難しいため下記の症状がある場合に月経量が多いと判断しています。また過多月経の場合、貧血になることがあるので月経になるとめまい・動悸・疲れやすいなどの症状が出る人も過多月経が疑われます。
子宮の本体である筋肉の一部がゴムボールのような塊になる子宮筋腫。良性の腫瘍ですができる場所により症状も様々です。特に子宮の中の空洞(内腔)に飛び出したようなタイプ(粘膜下筋腫)の人は月経が多くなることが多いです。
子宮本体の筋肉組織の一部に子宮内膜の成分が入り込むことで、子宮の一部が分厚く、硬くなり、月経量が多くなったり月経痛が起きたりします。
子宮の中の膜がおできのように膨らむ子宮内膜ポリープ。子宮の中の空洞(内腔)に飛び出し、過多月経や不正出血を引き起こします。
子宮の中の内膜が増殖する子宮内膜増殖症。子宮体がんの一歩手前といわれており、定期的な検査や治療が必要です。過多月経の中にはこうしたがんや前がん病変と呼ばれる悪性の可能性もあるので放置せずに一度受診してみましょう。
特に上記のような病気(器質的な原因)がなくても、ホルモンバランスの乱れで無排卵の場合などに過多月経が起きることがあり「機能的な原因」によるものといわれます。特に若い人や、閉経直前の人に多く見られます。
過多月経を放置すると、月経のたびに血液が減少し、貧血になってしまうことがあります。急に貧血になった場合はめまいや動悸、疲れやすさ、頭痛といった症状が現れますが、徐々になった場合にはこうした症状がなく、自分では気づかない間に輸血が必要なほど高度な貧血になっていることもあります。また子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜増殖症や子宮体がんといった器質的な病気があった場合、放置しておくと悪化してしまい、不妊の原因になったりがんが転移してしまうことも考えられます。
治療は原因や程度によって異なります。鉄剤の内服で貧血を改善する場合、ホルモン剤によって月経量を減らす場合、手術をする場合などがあります。また最近では子宮の中にIUS(intra uterine system=子宮内システム)といわれる小さな装置を入れることで月経量のコントロールを行うこともできます。